しかのひょうげん教室

絵を描いたり、モノをつくったり、ひとりひとりがあたらしい「つくる」に出会えるプログラム。大人から子どもまで、まるで遊んでいるように自由に表現するうちに、いつの間にか学んでしまう。そんな楽しい時間を過ごせるさまざまな教室をご用意しました。


こどもクラス(9月・10月・11月)

2021/12/08 レポート

今年度から新しくはじまった「しかのひょうげん教室」では
イラストレーターのひやまちさとが、2歳〜7歳のこどもクラス担当をしています。

この記事では、9月・10月・11月の教室をふりかえってレポートします。

9月 おおきな絵をかこう

この教室では、2歳〜7歳のこどもを対象に「のびのび、もっと自由に」お絵描きができるような時間を参加者のみなさんと一緒に楽しもうと企画しました。
私も、4歳の男の子の親です。お家では、絵を描く環境を用意してあげたい一方で、日々の家事や後片付けのことを考えると、机の上のお絵描きにとどまっています。
けれど、彼が筆と水と絵の具をぐちゃぐちゃに、ぬれようが汚れようが気にせずに描かせてあげられたなら。そんな想いもあり、この教室ではできるだけ大きな紙を使って描く「おおきな絵をかこう」をベースにしています。

1回目は、会場のまわりの物や、ほかの子どもさんが気になって、いつもよりのびのびとは行かなかったようです。大きな紙に、余白もたんと残っています。が、描くテーマは自由で、だれも評価しない、というリラックスした場所をなんとなく目指しているので、これで良い良い、と思いました。

10月 おおきな絵をかこう

2回目は「おおきなおいも」という絵本と、畑から掘ったサツマイモを持っていきました。今回はテーマを設けてみたのです。使う絵の具も、はじめから「あか」「あお」を渡して、「いも色」をつくるところから始まります。絵本のなかで子どもたちが大きないもを描くシーンがあります。どんどん長くなるので「もっとかみ!もっとかみ!」「えっさかほっさか」と言って、紙をつなげていきます。それに習って、紙をつなげてみました。ここで、私が大きなワクを描いて、色塗りだけをしてもらうのもワークショップっぽいですが、ん〜今日は、自分で描きたい子のほうが多いかも。と思い、それぞれにしました。そんな風に、その日の場所の空気をみながら進めています。

いつもそうですが、子どもがいっぱいいると、子どもは絵なんかそっちのけで、子ども同士で遊うじゃんです。ここは、強制的に絵を描く場所ではないので、もしよかったら描く?くらいの気持ちでいます。最初の10分で集中してガーッと大胆な絵を描いて風のように走り去っていく子もいるし、最初はまわりの(初めましても多いから)様子をみながらじゃれあってるけど、少しずつ近づいてきて、すっとスイッチが入ったら最後まで描き続ける子もいるし、いろいろですね。大人はついヤキモキして、何か作品を描かないと今日は帰れない、なんて無意識に思っちゃうんだけど。ここは、大きなかみと、絵の具とかがある場所なんだ、そして何やら楽しいかもしれない。そう思ってもらえたら、嬉しいです。

11月 因州和紙でぺたぺた

3回目は、佐治にある「かみんぐさじ」さんにご協力いただき、色がついた和紙を使ってクリスマスのモチーフを作ります。今日は一緒に来た保護者の方にもちょっとお手伝いしてもらいながら進めます。向かい合って、となりあって、一緒に和紙にペタペタしていく。うちのこだけが「おかーさんとなりにきてよー」と叫んでいましたが(ごめんね)ほかの子どもさんの家に混ぜてもらって、助けてもらいました。和紙は作業の過程ででた、はしっこ。色とりどりで、よく見ると表情もちがう。千切れる方向も、あれ、ちがう。なんだか普通のつるつるした折り紙とはちがう。その感覚が、指先にのこりますように。因州和紙という鳥取で1300年くらい続いている紙づくりも、実は衰退しているのが現実です。それはなぜって色々とありますが、日々の暮らしから遠ざかっているからではないでしょうか。和紙と親しんでほしい。今回はその一歩だったかな。和紙でクリスマス、、、色々と混ざっているけど、まあいっか。

この教室を通して、子どもさんだけでなく、実はおとなも絵を描いたら楽しいんじゃないかな〜って気がついてもらえたら嬉しいな、って思います。

次回12月の教室は「こどももおとなも参加できます!」
せっかくなので、因州和紙シリーズを続けますよ〜。
因州和紙にカレンダーをシルクスクリーンで刷りました。
その余白に、好きなものを描きましょう!
そして、おうちに持って帰って新年を迎えましょう。

▼ひょうげん教室のスケジュールはこちら▼
https://shikanoart.com/pdf/2021_hfly.pdf

▼申し込みはこちら▼
https://forms.gle/LpnDY5Z1Unz3cnHf7

文章・写真:ひやまちさと

鹿野芸術祭は3years Program。

鹿野芸術祭 2020→2022は「鳥取夜景」「鹿野採話集」を中心に 3年をかけて作品を制作し、発表していくプログラムです。
鳥取のさまざまな場所でフィールドワークしながらリサーチを重ねた 一年目。二年目となる今年はワークショップを中心にみなさんと さまざまな作品づくりを進め、そして来年、これまでの集大成として 発表の場所を作ります。
「いまアートを通じて人と人とがどうつながるか」その新しい答えを、 参加するみなさんといっしょに見つけながら、作っていきたいと考えています。

鹿野芸術祭は3years Program。

2020年度サイトへ

|主 催|鹿野芸術祭実行委員会、
西いなば工芸・アート村推進事業実行委員会
|共 催|鳥取県
令和3年度文化庁 文化芸術創造拠点形成事業、令和3年度鳥取県工芸・アート村推進事業
|助 成|公益財団法人 エネルギア・文化スポーツ財団

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